歯のちょっとした話

歯ブラシの歴史

日本における歯ブラシの起源は、6世紀の仏教伝来からといわれています。仏教とともに「歯木」が伝わり、僧侶らが使い始めました。歯木は、木の枝の一端を歯で噛んで柔らかくしてから、その先端で歯をきれいにしたそうです。


その後平安時代に貴族、武士にも歯木が普及します。庶民の間に広がっていったのは江戸時代からですが、歯木として使われていたのは柳の木で作られた「房楊枝」でした。どのようなものかというと、「かわ柳などの小枝の先端を煮て鉄鎚で叩き、木綿針の櫛ですいて木の繊維を柔らかい房状にしたもの」だそうです。


また柄の部分は、鋭利に削り、舌の汚れを落とす“舌こき”として使われていたといいます。ところでこの頃の川柳に「白い歯を見せれば売れる楊枝見世」というのがあります。


この房楊枝は明治時代まで使われ、その後、田部其外という人が、インド(当時のイギリス領)から伝わった歯ブラシを真似て、クジラの髪と馬の毛を合わせて作ったのが現在の歯ブラシの始まりだといわれています。


公式に「歯ブラシ」という名称が使われたのは、1890年(明治23年)に東京・上野で開催された博覧会で、歯刷子(歯ブラシ)という名前で出品していたそうです。その歯ブラシを出品したのが日本で最初のブラシ会社、大阪盛業株式会社(明治21年設立)です。その後の政府の後押しもあり、明治38年頃から大阪や八尾市内の工場で歯ブラシ生産が始まり、現在でも大阪府が歯ブラシ生産の日本一です。