歯のちょっとした話
dentalと歯
ここでちょっと面白い語源を見てみましょう。タンポポ(dandelion)は「歯とライオン」が語源だそうです。dandelionは、すなわちthe teeth of a lionという意味で、タンポポの葉がライオンの歯並びに似ているというのです。欧米人はdentに対して「ノコギリのぎざぎざの歯」というイメージを持っています。
wordソフトにインデントという機能がありますが、これも文章の端がぎざぎざに見えるために、彼らはインデントをライオンの歯のようだと思っているわけです。さて漢字の歯は「口の中に米を止めてかむ」という象形文字です。
「止」には「並ぶ」という意味もあるため、まさに歯並びをイメージしていることになります。それでは、「並ぶ」をイメージすることわざ、漢字をいくつか挙げてみましょう。ところどころ抜けているさま、寂しさを表現する「櫛の歯が欠けたよう」は、まさしく歯が抜けている状態をさしています。
その反対に「櫛の歯をひくがごとし」は人通りや物事が切れ目なく続くことをいいます。こちらは一本の歯も抜けることなくきちんと機能していることを想像させます。「獅子の歯噛み」は、ものすごく怒ることのたとえですが、これも抜けているとぜんぜん迫力はありません。
「齟齬」は物事がうまく噛み合わないこと、食い違うことですが、文字通り噛み合っていません。「切歯扼腕」は怒り、くやしさ、無念さなどの気持ちから、歯を食いしばり、腕を強く握り締め悔しがる様子をいいますが、こちらも歯が抜けていると、食いしばることも容易ではありません。